ヒントを辿る貴方に6題



第1ヒント:それはある種の病です。

「え、ちょ、コレ何。コレ何。」

「なんですか鬱陶しいですよ。」

「いや、ええと…、ええと…。」

「ほんとになんなんですか目ざわりです。」

「ひどい!」


第2ヒント:症状は人それぞれですが、多くの方が熱に浮かされます。

「あ、やばい。熱出てきたかもしんないっス。」

「そうですか。それならそこのドブ川で水浴びすることをオススメしますよ。」

「せめて綺麗な川で!」


第3ヒント:感染する事もありますが、ウィルスの存在は未確認です。

「まあ万一風邪だったとしたら他の人にうつったら迷惑なんでとっとと治してください。」

「あ、いや、多分うつんない…っスよ。」

「なんで言いきれるんですか。」

「でも黒子っちが傍に寄るとやばいかも。」

「人を病原体の様に呼ばないでください。」

「違うそういう意味じゃないっス!」


第4ヒント:不治の病ではありませんが、お医者さんには治せません。

「あーホントやばい。なんだろうコレ。わけわかんないっスよ…。」

「病原体の僕が傍に寄ったらやばいなら、薬でも治りそうにないですね。」

「……え?」


第5ヒント:僕はすでに発症済みですが、貴方がどうかはわかりません。

「え、黒子っち、コレなんだかわかるんスか?」

「ええまあ、僕も現在進行形で発症していますから。」

「え、これ、なんなんスか。」

「さあね。教えてなんてあげませんよ。」



最終ヒント:そして僕はこの病が、完治する事を望んで(or 望み)ません。

「ちなみに僕はコレを治す気はないので。どうぞ黄瀬君もそのままで。」

「……えー…?」

「とにかく、」

「…とにかく?」




(とっとと僕のことを好きになってしまえばいいんですよ。)





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黄(→)(←)黒。

無自覚両想い。両想い!



お題は蝶の籠様からお借りしました。