「お前ら、変だろ。」

「そうですかね。」

「…いや、変だって。」

「そうでもないですよ。」


火神に神妙な顔つきで言われるが、そんなこともないと思う。

何がって、その内容は明白だ。



「お前も、黄瀬も。」

「通常運転ですよ。」

「いやいや違うだろ。既に脱線しまくってんだろ。」

呆れた顔で目の前の彼に言われる。


教室の前後の席。

彼が後ろを振り向けば、必然的に僕と向き合う形になる。



「お前、青峰のことは?」

「好きですよ。」

「緑間は?」

「嫌いじゃないです。」

「えーと、キャプテン。」

「好きですよ。」

「カントク。」

「女性に軽々しく言っていいのか分かりませんが、まあ同じく。」

「二号。」

「可愛いですよね。好きですよ。」

「オレ。」

「もちろん大好きですよ。」




「……黄瀬。」


少しだけ間を開けて言われた名前。

微妙に口元がゆるんでしまったのは、恐らく目の前の彼が眉を寄せているせいだろう。







「だいっきらい。」